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【リレートーク】伊南からの風 

『伊南からの風』 ボンバー

 

「福島県の子ども達は放射線量が高くて外で遊べないんだ。夏休みに伊南の自然の中で思い切り遊ばせたいんだけど・・・。マサの力を貸して欲しい。」 「わかった!ボンバーやろうよ。できる限りの協力をするよ。やろう!」 マサは大きな手で力強く握手してくれました。即決です。涙が出ました。

忘れもしない2011年3月11日、東日本大震災とそれに伴う大津波による東京電力福島第一原子力発電所の事故。未曾有の大災害。日本は、子ども達の未来はどうなってしまうのだろう。私たちにできることは何だろう。 原子力発電所に近い子ども達は、日本各地へ避難し、高い放射線量のため、外遊びを禁止されてしまいました。幸いにも私たちの住む南会津町は、福島県であっても被災を免れたため、自然いっぱいの伊南地域へ子どもたちを招待し、思いっきり遊ばせ、心のケアもしたいと考え、マサに相談したのでした。

マサにキャンプディレクターへ就任してもらい、コールマンへの支援をつないでいただきました。アカデミックな分野の検証から福島大学の遠藤明子先生にも協力をいただいて、被災した子どもたちの保養キャンプ「コドモイナGO」を4年間実施しました。

現在は、その形を変えNOP法人いな夢クラブとFOSのコラボ企画で「SummerいなGO!」として、夏休み中の8月上旬に2泊3日のサマーキャンプを都会からのファミリーと町内の子どもたちを対象として実施しています。https://masa-fos.com/wp/summer-ina-go/ 私たち伊南の原住民とFOSとのつながりは、今から20年以上さかのぼります。

当時、私は伊南村教育委員会(現在は町村合併により南会津町)で春休み中の3月下旬に標高1,000mの山の中で4泊5日の子ども達のキャンプに携わっていました。名付けて「雪中ギャザリング」。 雪や山は、伊南に生まれ育った私たちにとっては身近なものでしたが、キャンプや野外活動といったものはズブの素人でしたので、結婚してこの地へ嫁いてくるまで野外活動を生業としていた私の妻に「雪中ギャザリング」にふさわしいスタッフの人選をお願いしました。彼女は自然の中でその美しさ、楽しさ、心地よさをストレートに感じ、表現することができて、田舎者の私たちと価値観を分かち合える(要するに仲良くできる)という理由から、出身大学の野外ゼミの後輩である当時独身だったゆうみを推してくれました。 ゆうみはスタッフとして、その持ち味を見事に発揮しました。そして、その後にゆうみと結婚した登山家のマサも参加し、手伝ってもらえるようになりました。伊南の雪山とはスケールの違う山々を数多く経験してきたマサは頼もしく、その自然観も私たちの想像をはるかに超越したものでした。凄ぇ人だ。 マサとゆうみの2人の子どもたちも幼少時から参加し、「雪中ギャザリング」は私たちにとってもFOSにとっても年に1回、雪山へ集って遊ぶ、楽しい恒例行事となりました。 東日本大震災以降「雪中ギャザリング」は残念ながら中断しています。必ずや復活させたいと思います。また、『双子の木』の下へ集まろうぜ!

FOSには、冬の富士山登山をはじめとした、いな夢クラブの講師以外にも、クリスマスパーティー、仲間の結婚披露パーティーなど、事あるごとに伊南に来てもらい、素敵なマサのギターとゆうみの歌を披露していただいています。

そして、私たちには日常過ぎて見えない、自然や文化、地域の魅力など、この地の大切なものについての気づきを与えてくれます。 どうもありがとうございます。そして、これからもよろしくお願いいたします。

よっけ、ブン、ジョニー、キャプテン、ぬかピー、ぼん、チョモ、ゆきぼー、 カズコ、うら、りほ、ナオミ、ユキ、その他大勢の村人より愛を込めて♥     執筆 ボンバーこと星恵一さん(南会津町立田部原保育所 所長)

 

「双子の木」

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