冒険トレック in 九州 レポート

ひかりと水と花崗岩の渓谷。
素朴な山里の奥なる自然のなかで仲間と過ごす冒険トレック in 九州 レポート3日間。
一瞬、一瞬、からだとこころで、自然とダンスを踊るようにふれてゆきましょう。
そこに生まれる自然とひとの共振の物語♬
冒険トレック in 九州 ~Dance with nature~

この地球に生まれ、いま、ここに生きてあるよろこびを感じていただけたら。
そして、冒険トレックの体験を通して子どもたちがワクワクするような思いで
それぞれのいまに立つ契機となってくれたらと願います。

冒険トレック in 九州へのメッセージから
Masafumi TODAKA

九州大分の佐伯市藤河内渓谷で、熊本地震や広島、大分の大雨・台風災害の子どもと
全国の子どもたちを対象に開催された冒険トレック in 九州 on 14~16.Jul.2018.
主催:野外学校FOS 協力:コールマン ジャパン(株)
ベース:大分県佐伯市宇目 藤河内渓谷キャンプ場オートサイト
そこに生まれた三日間の自然とひとの共振の物語をどうぞ、ご覧ください。

◆「もう1日いたかったー!!」 お迎えに行ったとき、まず、この言葉が飛び出してきました。日頃、学校で仲良しの友達ができないためか、 拗ねたような暗い表情をしている息子でしたが冒険トレックに参加したことで自信がついたのだと思います。帰る頃には、柔らかく落ち着いた顔つきに変わっていました。
「自然の中では、年齢も性別も、住んでいる場所も暮らしぶりも関係なく、みんな平等である」
「同じものを食べ、同じ場所で眠り、助け合って生きることは、想像していた以上に楽しいことである」
「大きな音や強い言葉でせかされるのではなく、優しい音楽を合図に1つの場所に集まって行く。そんな時の告げられ方がある」
「世の中には、こんなに素晴らしい場所があり、こんなに優しい人がいる」
「こんなに楽しい生き方があって、求めれば何でも与えてくれる自然がある」
たっぷりと陽を浴びて、のんびり過ごし、ドキドキとわくわくを爆発させて、溢れるほどの慈しみをもらった息子は、言葉にこそ表していませんでしたが、かけがえのない豊かさを、体中で味わってきたようです。だからこそ、穏やかで純粋な目をして帰って来られたのだと感じました。今回の体験は、息子にとって一生の宝物となり、私たち親にとっては、最高のお土産となりました。 辛いことがあったとき「あのときは、最高に楽しかったね」と語り合い、味わい合いたいと思います。世界に誇る雄大な自然、マサさん、ゆうみさん、スタッフの皆さん、参加されたお友達、全ての出会いに感謝します。(保護者様)
◆川の水が透明なこと、夜空には数え切れない星が見えること、炎は明るくて暖かいこと。
「知ってはいたけれど、本当だった!」 って、その感動は一生忘れないんだろうなぁと思います。(保護者様)
◆様々な催し全てが初めての事で、ワクワクしっぱなしで楽しかったようです。
参加後、これからの毎日をもっとチャレンジして楽しもうと積極的になった気がします。(保護者様)
◆娘にとって、知らない子のいる中で過ごすと言うのはとても緊張するようですが、
自然の中でダイナミックに遊び、テントを建てるなど関わりを持てる活動の中で
自分の居場所を作り見つける素晴らしい経験をさせて頂きありがとうございました。
遊びを作り出す楽しさ 自然の美しさに感動する機会 皆の食事を用意する機会
やらされるのではなく やりたいことをやらせてもらえるたくさんの機会に感謝です。(保護者様)
◆初めてのキャンプ、知らない友達や大人のスタッフさんとの出会い!
ドキドキと不安とでいっぱいの表情でバイバイと別れて、フェイスブックでの表情の変化に涙がこぼれました。子どもってすごいなーって思います。なかなか自分からいろいろなことに飛び込めない彼に心配していましたが、それもありだし、自分の居場所や自分の楽しいこと嬉しいことを感じて僕は僕でよいのだと感じてくれたのかなって帰ってきての姿をみて思います。 これから先もいろいろなことがあるでしょう。子どもたちにとって生きにくいこの世の中で冒険トレックのような空間もあると知れたことはステキなことだと思います。(保護者様)
◆恥ずかしがり屋だったのに 喜んで参加してくれて 成長を感じました。
一人だったら絶対にしなかっだろう飛び込みも経験できたり、
たくさんの初めてを経験できて、見えない成長をたくさんしていると思います。
私の力では経験させてあげられない 体験をさせていただいて感謝です。
こんなに近くにあんな素晴らしい自然があるなんて、知りませんでした。(保護者様)
◆一人で、初めて会う人達と 3 日間過ごすということで、最初はやはり心配していましたが、私にとっ ては、娘の事を信頼するということを学ぶいい機会になったと思います。 キャンプの事を話してくれる 様子から、楽しさが伝わってくるのがとても嬉しいです。(保護者様)
(子どもの振り返りシートから)
◆参加後に何が楽しかったか感想を尋ねると一番に『友達ができたこと』と言ったときには正直、驚きました。
娘は『人』よりも自分が興味ある物や出来事が印象強く残る性質なので、楽しみにしていたシャワートレッキングの感想が一番に出てくるかなと予想していたため、まさかの友達という言葉に耳を疑いました。私達は娘に1人もいいけれど人といると楽しく心地よいこと、世界は広くて色々な子供達がいることを知ってほしくて送り出したので、まさかの 狙い通り?!の反応に涙がでそうでした。最初のキャンプ集合では知らない人ばかりの集まりのはずなのに皆、親しそう…??という疑心から不安も大きく、ゲームにも 参加し難く母が傍から離れないよう引っ張り、トイレも本人の経験のないポットンという環境で正直、『帰る』というかな…と覚悟も少ししていました。けれどそれを上回る期待感が彼女にはあったのだと思います。トイレも相談して自然のトイレを選び食事も足りなかったら相談しにいき、そこで過ごすための安心を一つずつ獲得していく姿に成長を感じました。
普通は当たり前にできることかもしれないけれど、人を頼るということにハードルがある娘、頑張ったもあるだろうし、楽しくて自然と頼っていったのだろうとも思います。写真ポスターでもどれもいい顔をしていました。家族と過ごすことも勿論いいけれど 家族だけでは引き出せない顔でもありました。
思い切って冒険トレックに送り出し 親子ともに本当にいい経験をしました。
経験に勝るものはなし。
彼女のなかにこの2泊3日は 深くいきづいていくと思います。(保護者様)
◆本人が強く望んだ参加だったのですが、普段が内向的なので、周りになじめるのか楽しめるのか心配でした。
最終日、子供の浮かない顔に「ダメだったかぁ」と内心落ち込みましたが、よくよく話してみると『帰りたくない』とのこと。
もうその一言で、どれだけ貴重な体験をしたのかが伝わってきました。
スタッフの皆さんは、強制せず、自主性を重んじ、いつも見守ってくれている、そんな感じ。と子供が話していました。
だからこそ自分で考えなければいけないし、周りを見ないといけないと思ったようです。
そこに気付けた子供に感心しましたし、スタッフの皆さんのご指導にただただ感謝です。(保護者様)
◆「いちばん楽しかったのは何?」と尋ねたところ 「千枚平から 50 回飛び込んだこと!」と答えていました。キャンプだけでも楽しいのに、大自然の中を歩いたり、ちょっと危険な沢をロープで登ったり、今まで味わったことのない冒険をしたことが、本当に楽しくてしかたなかったようです。(保護者様)
◆これからも自然の雄大さや人と過ごす楽しさを沢山の現代っ子に気づくキッカケを 作ってあげて下さい。
今の子供らは私達よりも災害をはじめ自然としっかり向き合っていかなければならない時代に生きていくと思います。
共生を肌で感じる冒険トレック。更なる進化を期待しています。(保護者様)
◆帰ってすぐは多くを語らなかったのですが、少しずついろいろな話をしてくれます。のこぎりで手を切った時の話が学んだなって感じました。痛かったではなく「のこぎりの刃は上にもついとるんよ。間違えて触ってしまったら手が切れたけん気をつけないけんのよね」と。 また行きたいなってフェイスブックの写真みながらぼそって呟いていました。
(保護者さま)
(子どもの振り返りシートから)
◆このような活動があることを今回、初めて知りました。
三日間で子供が得たものは、親子共に宝物になりました。
これからもこの冒険トレックが継続していくことを期待します。(保護者様)
(子どもの振り返りシートから)
◆わたしは、きのうのキャンプファイヤーが心にのこりました。
みんなの わらう声、みんなの、えがおの顔。
わたしは、それで泣きそうになりました。感動しました。
また、この、なかまたちに 出会えたらいいなと、思いました。
大人の人も、わたしたちにやさしくしてくれたり、教えてくれたりして、
とってもうれしかった。みんな、やさしくしてくれて、心が赤になった。
わかれるのはかなしいけれど、また、いつか出会えるといいなと思っています。 (熊本南阿蘇から参加の子ども)
この度は、このような素晴らしい体験をさせていただきまして親子共々大変感謝をしております。
また復興支援としてご招待頂きありがとうございました。
とてもキレイな渓谷でのキャンプ。とてもとても楽しかったそうです。元気娘ではあります。わりと地味な作業が好きな子です。 キャンプ中も最後のミーティングの準備をさせていただいたり、食事の準備をしたり、縁の下の力持ち的な体験が彼女の自信に繋がったようです。 恐ろしい熊本地震を体験しましたが、自然は素晴らしくて皆んなで大切に守っていかなければいけないんだと学んで欲しいと思っています。(保護者様)
(子どもの振り返りシートから)
(子どもの振り返りシートから)

冒険トレック in 九州を終えて

この度、コールマン ジャパン(株)社の「未来を照らそうプロジェクト」(CSR活動)で子どもへの自然体験機会の提供や災害支援活動の一環としてご協力をいただき、西日本の子どもたちにも、冒険トレックを通して自然の素晴らしさ、キャンプの楽しさ、仲間とふれあい、場を共にすることのよろこびを体験する機会を届けさせていただくことができました。

熊本地震、大分台風災害地域の子どもたち 10 名と全国からご応募いただいた子ども10名の計20名。その中には、大雨による水害の影響を受けている最中の広島からのお子さま2名も含まれていました。 アクセスの問題もあり、参加できるか否かという状況でしたが、直前に高速道路の開通やフェリーの運航が再開され、無事、九州入りしていただくことができました。

7月14日の午後0時過ぎ。熊本、福岡、大分、広島、神奈川からの子どもたち20名全員が大分、佐伯市の藤河内渓谷キャンプ場オートサイトに集合。いよいよ、冒険トレックのはじまりです!
藤河内渓谷は昨年6月に豊かな自然と、自然を敬い、その自然とふれあいながら大切に紡がれてきた人々の暮らしのあり様が評価され、ユネスコエコパークに登録された祖母・傾・大崩山域に含まれます。
長い年月をかけて刻まれた花崗岩の一枚岩の渓谷。
滔々と流れる清らかな水。
その周囲や奥に広がる豊かな森。
そして、キャンプの楽しさと水にふれ、遊び、チャレンジし、寛ぐ体験のよろこび。
自然のなかに身を置き、ふれあうことで体感される自然の世界。きっと、怖さも、迫力も、柔らかさも優しさも、そのすべてを含めた存在として子どもたちに実感されたことでしょう。
自然災害の頻発する昨今の状況の中、私たちは知識や情報だけでなく、体験、体感を通して自然とふれあうことの大切さを思います。怖いだけの存在ではなく、美しく優しいだけでもない。なによりも、一瞬一瞬、変化する自然と私たちひとも根源では同じ存在であり、そこにいのちの可能性もよろこびもあることを。
そして、自然のなかで、仲間(ひと)にふれ、自分にふれる体験の素晴らしさを。

「この地球に生まれ、いま、ここに生きてあるよろこびを感じていただけたら。
そして、冒険トレックの体験を通して子どもたちがワクワクするような思いでそれぞれのいまに立つ契機となってくれたら。」 こころから、そう願います。

最後になりますが、冒険トレックにご協力いただき、この場を支えていただきましたコールマン ジャパン(株)様にあらためて深く感謝申し上げます。
また、私の郷里の佐伯市宇目振興局のみなさまには子どもたちの送迎でご協力をいただきました。
藤河内渓谷の自然をはじめ、冒険トレックを共にした子どもたち、現地送迎も含めてお子さまを遠方まで送りだしていただいた保護者のみなさま、そしてこの場に関わられたすべての皆様に感謝致します。
ありがとうございました。

野外学校Feel Our Soul 代表 戸高 雅史

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