自然が自然のままに息づく世界。そのなかに歩み入り、身をおくこと。
危険のある場所ではそれを避けるのではなく、真剣になり、一歩一歩、慎重に進んでゆく。
一夜を過ごすすべてが詰まった大きなリュックを背に歩む。
源流の流れに足を浸し、その清らかなエネルギーを全身で受け、上流へ。
野営地では焚火の炎に暖をとり、大地に、新緑の森に包まれそのままに休む。
下りから始まる不思議な冒険の旅は、二日目、必然的に登りに。
急登から道なき広きブナの尾根。3時間の登りを経て再び富士山の世界へ、そして私の場へ。
なぜ、冒険の旅へ?
自然災害は日常にありながら、私たちが生きている世界はいつ、なにが起きてもおかしくないことを教えてくれます。
山は、自然は私たちがそれをコントロールできるものではないこと、
そして自然の大きな働きのなかに私たちは生きてあることに気づかせてくれます。
子どもたちは初めて体験する本格的な冒険の旅で、
そのみずみずしい感性とからだでたくさんのことを受け、感じたことでしょう。
深く熱く、自然のなかへ。
大変さも、つらさも、驚きも、心地よさも、そのすべてが今を生きる力の源泉(よろこび)になると感じます。
子どもたちひとりひとりのいまを、そして未来を照らすひとつのよりどころになってくれたらとの願いとともに。
新たな一歩を踏み出した冒険トレック2016。
前身の冒険キャンプから10年余。
子どもたちの自然体験の大切さを共感され、
この活動を支えていただいておりますコールマン ジャパン(株)様に深く感謝申し上げます。
今回は多くの皆様にご応募をいただきました。
すべてのお子様をご招待することは叶いませんでしたが、こうして15名の子どもたちと共にした体験のエッセンスが、
子どものみならず、ご家族で、グループで、様々な場で共感、共有されてゆけばうれしく思います。
冒険トレックに関わられたすべてのみなさまに、
二日間を過ごした富士山麓の自然に心から感謝を込めて。
ありがとうございました。
2016年5月26日
野外学校Feel Our Soul代表 戸高 雅史