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[リレートーク]私たちのねがい コロナ禍のなかで

<人間らしく健やかに育ち合いたい> 自粛生活のなかで思ふ 

2020年は新型コロナウィルス感染拡大により世界中の人々の暮らしが一転してしまいました。
FOSでは、自粛を強いらる生活のなかで、「安心できる自然のなかで、子どもたちへ直接体験の場を届けたい」と想い、
文科省の自然体験活動推進事業に応募。第1回江の島サーフィン、第2回町田大池沢青少年センターにて焚火、
第3回山梨県山中湖村明神山ハイキング、第4回東京高尾山ハイキングと4コースを開催しました。
2021年度にも後半コースが2本ありますが、お天気に恵まれ、子どもの心身が弾み、笑顔が溢れる楽しい体験活動になりました。

エントリーでは保護者のみなさまにコロナ禍での生活やお子さんの様子をシェア頂きました。
子どもが健やかに育つことを心から願っている気持ちを共有することから、
この助成事業はスタートしていきました。
2020年度前期プログラムを終え、FOSの自然体験活動の提案と保護者のみなさまの声を
自然の写真を添えてお伝えします。

野外学校FOSは、子どもたちに冒険的な自然体験を提案しています。
自然普遍的な時間に自らの感性を開き、
ありのままの自分を感じ、共に活動する仲間との共感による癒し、
自らの存在の受容を目的にしています。

新型コロナウイルス感染において、
子どもたちは学校で学ぶ機会を奪われ、
社会的な規制下で不自由な生活を強いられてしまいました。

私たちは様々な情報のなかで、科学的な知識を取捨選択し、自ら考え、
感染予防のための生活様式を求められました。
これからの時代を生きる人に求められるのは、
変化する社会環境にあっても、健康でいられる身体と心、考える能力ではないでしょうか。
こうした生きる能力は快適に保護された教室の学習で得られるものではなく、
自然にふれ、感じることで、生きものとしての感覚がしぜんに開かれ、
子どもの身体に自ずと養われていきます。

野外学校FOSでは、子どもたちに以下のことを提案します。
〇自然にふれる豊かな直接体験の提供。
〇子ども自ら、五感を開き、身体知を養う。
〇共に活動する仲間とのかけがえのない共感体験。
〇ゲームや電磁波から解放される時間。
〇未来を健康に生きていく為に自ら考えて行動する力を養う。

9月は藤沢を拠点に活動するバディ冒険団のナビでのサーフィン教室。
波と風の吹く、ダイナミックな海を体験することができました。

「コロナで学校も鬱々とし、思春期に入りお友達とも学校も不安定な中、
とっても楽しいよい経験ができ、リフレッシュが出来たようです。心の免疫力が下がり、子どもだけではなく、
大人もですが、身体と心の成長と維持が心配です。
今回のサーフィンは私も久しぶりに海での子どもの様子を見たく、そしてどんな自然体験をさせてくれるのか、ドキドキしながら、保護者として参加しました。そこで見て感じたものは、海と空、風というスケールの大きな世界で、プロの魅力あるスタッフに導かれ、目を輝かせる真剣なまなざしの子どもたち。こんな姿は学校で、家庭では見られない姿です。
言葉にするのは難しいですが、気持ちよさや危険と隣り合わせの自然を肌で感じ、自然に感謝する姿勢を教えてもらい、
自分の身体とも向き合いながら楽しむ、取り組む。
そうやって、自然と共に子どもたちの健全な身体と心が作られていくのではないでしょうか。
そんなことを学んだ一日でした。どうか、子どもたちの健やかな成長と明るい未来の為に、こうしたチャンスをひとりでも
多くの子どもたちに体験させてあげたいと強く思います。」

「今日は遊び切ったー!!!」と話すキラキラした娘の笑顔は海からたくさんのエネルギーをもらった忘れられないいちにち。」

「海という自然と共に私たちは生きている。海を感じてみよう」はじめにバディ冒険団主宰えんちゃんの言葉、
やさしく、とってもわかりやすい。シンプルなのに深く心に響いて、入ってくる。さらにジャッキーのストレッチも面白い!
一気に安心感を受け取って、私も子どもも一緒に体験させてもらい幸運な時間でした。」

「サーフィンというカタチで自然なる海を感じるために、バディやFOSのスタッフの方々が、子どもたちのチカラを丁寧に
弾き出してくれることで、安心して、弾き出された自分の身体に自信が生まれて発揮できるんだなぁと感動しました。
素晴らしいチーム! 迫力のある波と音にも負けずに、前に向かって何度も挑戦していく子どもの後ろ姿を目に焼き付けました。」

「走っても笑顔、転んでも笑顔。
波に乗れても笑顔、ボードから落ちても笑顔、。
海にいるだけで笑顔になってしまう。どの子も。
笑顔に溢れる幸せな時間だった。
最近、自然の驚異を感じることも多いけれど、
昨日は自然がとてもやさしく包んでくれているように感じられた。
子どもたちも、なんだかそんな自然に安心して身をゆだねていたような。
その感覚を覚えていてほしい。
いつかつらいことに直面したときにでも
自分を包んでくれた自然の優しさを思い出してくれるといい。」

この助成事業では大学生スタッフがサポートで入っています。信州大学のGくんのレポート。
「身体に突き刺さるような日差しから強烈な太陽のエネルギーを感じながら、
全身で地球の波動を味わう。まさに、自然と一体になった体験だった。
バディの人たちが、私たちと自然をつなげてくれる案内人。
海に入る前にジャッキーのヨガで心と身体の準備をしていく。
子どもたち、そして周りでみていた保護者も自然とジャッキーの声に合わせて、身体をのばしていく。
大地に深く、深く根を張るような落ち着いた気持ちになっていく。
えんちゃんたちの指導で波に乗る。「海に入ったら、みんなひとり。自分のことは自分で守る。」
とっても大事なことだと思う。バディのスタッフや海で育ってきた人たちは、人としての魅力に溢れている。
自然を知ること。自然と一体になることは、大きな気づきを与えてくれるかもしれない。
無駄な力を入れる必要はない。身を任せればいい。
バディ同士で交代しながら何度も何度もサーフボートを抱えて浜辺から海に入っていく子どもたち。
どの波がいいのか自分で見極めて待つ。途中、波に押し戻されながらも懸命に波に向き合う。
その顔は、私は思わず微笑んでしまうほどのキラキラの笑顔と真剣な瞳をしていた。
これほどまでに子どもたちが夢中になれる体験をもっと大事にしていきたい。
(2020年9月6日江の島サーフィンより)

 

10月は町田大池沢青少年センターにて、初めての飯ごう炊飯!
もしもに備えた防災食、米をガスで炊く体験と焚火遊び。

炊飯器以外でご飯を炊くのは初めての子どもたち。
Colemanのアウトドアクッカーで失敗なし!自分で炊いたご飯の美味しさにビックリ! 何杯もおかわりしてましたね♡
保護者のみなさまの感想、どうぞご覧ください。

「都会に住んでいると自然のなかで過ごす機会が極端に少ないので、我が子を含め、参加した子どもたちがみんな生き生きと楽しそうに活動している姿がとても印象的でした。最初は恥ずかしがっていた子どもたちも、すぐに打ち解けられて、以前から友達同士みたいなふれあいができたのも、自然の中の活動ならではのことだと思います。自分でご飯を炊いたり、焚火をする貴重な体験をさせてもらえて、とてもありがたかったです。」

「久しぶりに自然にふれられ、
あたたかな人にふれられ、しあわせな時間を親子で感じました。
子どもたちが未知なせかいに飛び込み、
どう自分を表現していくか。
おさない子どもたちの眩しさを感じました。
in機械の浸透、コロナ時代だからこそ、
こうした自然のなかで、人と人とが、
互いの助け愛、支え愛、
生きていくことが大切だなぁと
あらためて思いました。
子どもたちがなるべくお客さまにならないように
なっているといいなと思います。
私たちの持ちかえった空気感に、
今度は弟が行きたかもの雰囲気になっていました。」

全く新しいフィールドでお友達と仲良くなれたことにより、少し自信がついた様子でした。
お鍋で炊いたご飯が美味しかったこと。大人がたくさんの話を聞いてくれたこと。山登りが楽しかったこと。
たくさんニコニコと話してくれてとっても幸せな時間であったようです。
緑いっぱいの場所も新鮮でしたが、スタッフの方々が、本当に子どもが好きで、ステキな体験をさせてあげたい!
という気持ちに溢れていて、それが一番、空気を浄化させているような気がしました。」

「金木犀が香る初秋。いわゆる新しい生活様式にも慣れはじめているものの、日頃、学校行事も中止され、
勉強詰めやテストに追われる生活にも、仲間の協力があってこそ学べる人間力や日常生活の抑揚感がもっと欲しいなぁと
子どもを通して感じていました。森に還り、非日常な特別な1日を過ごしたオープンスクール。子どもたちにとって、
たった1日でも自分らしく取り戻れた喜びの体験が、いま再び、自分の日常の軸として健康にそだっていくことを信じています。
そして日常のなかでも、子どもたちはちょっと背伸びしたり、無理をしたりして負担をかけ、探検しながら、
自分の可能性を広げていくのかもしれません。親として、そんな事を想像できる余裕も生まれました。
これからも子どもたちが新しいことを見つけ、向き合っていく姿を背中越に応援したい気持ちになりました。」

学校の体育の授業では制限があるので、思いっきり身体を動かせて楽しかったみたいです。でもマスクを外せなかったことが、
ちょっとツライようでした。(体温が熱くなってしまう)慣れ親しんだお友達との関係も大事ですが、自然の中で、なにか新しいことにチャレンジしたり、自分を表現する機会をたくさん持ってほしいと思います。自分と違う細胞が開いて、心地よかったり、
悪かったり、笑ったり、変だなーと思ったり。枠に囲まれていない自然のなかで過ごすことで、自分の身体に沁みついていく体験になると思います。」

「集団行動が苦手な娘ですが、「こうしたい」ということを伝えられて、尊重してもらえてた経験もとてもよかったと思います。
コロナ禍でつい動画やゲームでの遊びが家で増えていたのでかなり浄化された様子でした。程よい見守りに感謝」
(2020年10月4日町田大池沢青少年センター)

11月はFOS山中湖ベース山梨県での開催しました。湖を渡る清々しい秋風を感じ、紅葉の森が美しかったですね。
FOS主宰マサのガイドにより、道なき道をゆく山歩き! 楽しい山時間になりました。

「たのしかったー!といい風をまとってのびやかに帰宅しました。」
「大自然のなかで、みんなと過ごせるとエネルギーチャージ満タンになるのですね。
ひとまわり逞しくなったように感じました。一日の大切さを感じました。」

「低学年までは、外遊び中心に遊んでいましたが、高学年になるにつけ、友達と集まってはゲーム中心になり、
充電がなくなると、身体を使う遊びになるという流れが定番な様です。
最近はそこに、コロナの後押しでオンラインで各家にいながら、友達とゲームという最新方法も身につけています。
ゲームを否定することはしませんが、身体を使う遊びや自然のなかで感じる体験のバランスを持って欲しいと強く思っています。
成長の過程で折に触れて自然を体感する機会をもっていたと思っています。」


(2020年11月8日山中湖の森へ)

今年最後の助成事業コースは東京の保全林高尾山へ。多くの登山者で賑わうおやま。
コロナでの密をさけ、JR高尾駅からバスで日影で下車。裏高尾山登山いろはルートから登りました。
27名の集団登山てしたが、子どもたちに、自然を感じる山登り、登山道に息づく巨木に出会えるいろは路の魅力をお話しました。
どの子も自然にふれることを楽しみにしてきた様子で、山歩き中も騒がしさがなく、静かな気持ちで山に登ることができました。
サポートの高校生、大学生をリーダーに5人1組で登りました。、優しいお兄ちゃんやお姉ちゃんとの存在は安心感があり、どのチームもとても楽しい雰囲気でした。自然体験はもちろんですが、自然を感じる心、優しさは五感を開き、豊かな情操を育みます。大学生にとっても、オンラインの授業形式に室内生活が続き、鬱々としている日常から自然のなかへ飛びだし、子どもとふれあいは、心の教育・実践教育の機会になっています。コロナ禍では学校集団での学習は規制がかかり、学びの形態が狭くなってしまうのは致し方ありません。こうした自然下での開かれた学び場を個人の責任において参加していく道を学生たちに探してほしいし、FOSは野外教育としてTeaching outdoor、ひとつの扉を掲げていたいと思っています。

「一緒に登ったみなさんが素敵で、子どもたちもみんな目がキラキラしていて感動しました。
これらも皆、FOSが作りだした空間とご縁なのでしょうね。」

「リフトが1番楽しかった。なにもかもが、楽しかった」と口数の少ない息子が話してくれました。
丸一日、満足で興奮したのか、夜は眠れずにいましたが、時間は短くてくても質の良い、深い眠りだったようです。
今朝はすっきりした身体で爽快に起き、リセットされたように登校していきました!」

「最近は親への口数が少なく、背を向けがちな思春期に入った息子が、お迎えに行ったいった集合場所で悠々と生き生き遊ぶ姿をみて、親の手元から離れて自立しようとするチカラ、彼の原点を思い出させてもらったようです。
仲間とこころよい、楽しい時間が彼の身体や心のなかの一部になっていき、大人になってふとした時に、その快さが湧き出るような体験をしたのだと思います。ひとえに子どもたちがその人らしく振舞える環境をサポートされるFOSのスタッフのみなさんに感謝」

「今年は体育祭が縮小規模で開催された以外、何も行事がなく、体験の少ない年でしたので、参加させてほんとうによかったです。本人自身、日頃、なにも窮屈と感じている自覚はなかったようですが、今日参加したことで無理をしていたんだと感じたようです。」

「初冬の澄んだ空気いっぱいに吸い込み、身体を元気に動かす。
山頂に向かって、励まし合って登る。友達も思い切り遊ぶ。
これらのひとつひとつが、子ども時代の良き思い出として心に刻まれることと思います。
今年はコロナ禍のもとで暮らしが大きく変わってしまい、
親である自分もなにを目指して生活するべきなのか迷いの中にありました。
しかし、この1年を通じて思い至ったのは、
「人が健やかに生きる」ということ。
「自然と共に生きる」ということ。
これらの尊さです。
現代の子どもを取り巻く価値観には次のようなものがあります。
狭義の学校教育がめざすもの(集団教育・部活動・受験など)
狭義な経済活動がめざすもの(経済的合理化・効率化・社会的成功・デジタライゼーション)などです。
今回のFOSのプログラムを通じて、野外教育は、それらの価値観のさらに外側にある大切な価値、
つまり、「人々がつながり、喜びを感じながら、健やかに生きること」を、
参加者に共有する場所であると感じました。
ぜひ、これからも多くの子どもたちに、
このような自然のなかでの活動に参加するチャンスが開かれますことを祈っています。
FOSには、人々の温かなつながりや、自然のなかで過ごす喜びが、確かに存在しています。」
(12月高尾山ハイキングより)

言葉を寄せてくださったみなさま、ありがとうございました。
文科省による「子どもたちの心身の健全な発達のための子どもの自然体験活動推進事業」
コロナ禍ではありますが、なんて豊かな体験と気づきが生まれていったことでしょう。
(人々がつながり、喜びを感じて、健やかに生きる)
FOSははこれからも、ひとりひとりいのちの源にふれる体験と、
子どもを真ん中に、自然と人との調和した場を大切にしていきます。
2020年、すべての出会いとつながりに感謝。
ありがとうございました。

 

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